国語がわからない

中学入試では国語、大学では現国になるけれども、国語という教科にはいろいろと誤解が多いように思います。
国語の試験は、国語力を見るというよりも、パズルを解くようなものではないでしょうか。国語が得意な人ほど陥りやすいわなはおおむね3つ。

小説は主人公の気持ちになりきってはだめ。

小説は、いろいろな読み方ができて、余韻のあるような小説の方が想像が膨らんでよいものです。でも、問題を作る限り、答えは1つにしなければなりません。とすると、どうしても問題の作り方は限られます。本来の小説を読むときの、想像力を膨らませた読み方では、答えが1つになるわけはありませんから、結局は枝葉末節をこちょこちょしたつまらない問題しかできません。

論説文はもともとわかりにくい。

よくできた論説文というのは、ものすごく分かりやすいものです。でも、分かりやすい論説文は、分かりやすすぎて問題になりません。誰でも簡単に分かってしまうからです。とすると、試験問題に取り上げられる文章は、やや分かりにくい、著者の独りよがりだったり、へんにこねくり回して書いていたりするものにせざるを得ないので、二流三流の文が問題文になることが多かったりします。

読まずに文字数だけ数えるような問題が多い。

国語の問題で良く見かける、○○字で抜き出しなさいというやつ。これは、○○字、と字数を指定しないと答えが1つに絞れないがための窮余の策ですから、良い問題とはいえません。長い文章の中から何字になるかを延々と数えながら当てはめる、そんなことで国語力が付くとは思えませんから、まったくもってひどいものです。

清水義範に、そういう国語の問題のばかばかしさをからかったかのような、国語入試問題必勝法という小説がありますが、入試をされる子どもを持つ親は必読でしょう。まずは国語は、ばかばかしいものだと割り切ってから、対策をスタートすべきです。とはいいながら、選択肢問題のための「長短除外の法則」「大、小、展、外、誤」は決して的外れではなく、ある意味本質を突いているので、十分勉強になりますよ。